子どもが不登校になると、だいたいの親御さんは「学校に行かないと本人が困るのでは…」という葛藤に
苛まれつつも、我が子の安心安全を第一に考えて休ませたり、サポート体制を整えたりすると思います。
その中でもネックになってくるのが、夫婦間での意識の違いや、理解度のズレです。
育ってきた環境や、働いている環境によっても考え方は違うため
「パートナーと理解し合えない」「意見が合わない」と悩む夫婦は多いようです。
今回はそんな不登校家庭における夫婦関係について、なぜすれ違うのか?や、
どう折り合っていけばよいのか?を紐解いていきたいと思います。
夫婦で意見が分かれやすいのはなぜ?
夫婦は子育てにおいて、まず「役割がちがう」家庭は多いと思います。
子どもを見る立場によって問題の見え方も変わってくることが、夫婦の衝突のひとつの要因になるのではないでしょうか。
「子どもの生活をいつも傍で見ている親」(主に母親)は、子どもの体調や気分、食欲や睡眠などから命を守るためのサポートに出やすいです。
一方、「間接的に支えている親」(主に父親)は、少し距離があるからこそ客観的に将来への不安を感じやすく「無理してでも行った方がいい」「勉強だけでもしておかないと」となりがちです。
どちらも子どもを想ってのことですが、1対1で親も共感者がいないことで孤立したり、
子どもの状況が悪化すると焦って危機感を感じ、より意固地になったりします。
我が子のために協力したいと思いつつ、なかなか素直になれず折り合えないのも
夫婦だからかもしれませんね。
主に母親の負担が大きくなる理由
核家族が増えた影響もあり、子育ては夫婦で成立させる家庭が増えています。
子どもが小さなうちは母親に安心を求める傾向があったり、母親も本能的に子どもを守りたいという思いも強まるので、母子が近いことは自然なことかもしれません。
しかしその延長で子どもが不登校になると、共働きをしていても母親が仕事を休職したり、離職する傾向が多くなります。
中高生になってもなかなか母子の物理的距離が取れない状態…ということも少なくありません。
また夫婦間で意見が違ったり、お互いの理解が得られなかったりすると、母親は「自分しかこの子を守れない」と感じ、その責任や不安、孤独に追い詰められやすくなります。
子どもも苦しむ母親を見たくないので、気を遣い、ますます離れにくくなります。
家族の力になりたいお父さんも沢山いらっしやいますが、
「子どもと妻のやり方に口を挟めない」
「どうしてあげたらよいかわからない」
「仕事で疲れて家庭のことを真剣に考えるのが大変」等…
傷付けたくないからこそ触れられなかったり、収入への責任を背負って仕事に没頭したり。
お互いに衝突を恐れてたり、そこにエネルギーをかけることが億劫になり、
ますます溝が埋まりにくくなっていくことがあります。
夫婦は、違って当たり前。
そもそも夫婦は血縁がなく、全く違う環境で育っているので価値観が全く同じことはありません。
強い遺伝子を保持するため「違う」ほどに惹かれ合うとも言われますね。
家族になったからと言って、全てが味方になるわけでもなく、全て許し合えるわけでもありません。
気持ちを共有できる土壌を整え、期待をしずぎず、自立した考え方ができるかがとても大切になってきます。
完璧を目指さず、「違い」を尊重し合えているかどうかを見直してみましょう。
子どもが不登校になってから話し合える関係性になったという家庭も少なくありません。
子どもが辛い状況の時こそ、話すチャンスでもあります。
「子どもの未来のために、自分達夫婦は今どうしたいか?今何ができるのか?」
叶えたい未来のために、話し合ってみる時間は決して無駄ではありません。
「もう遅い」と感じるご夫婦もいるかもしれませんが、主軸さえ置くことができれば
いつからでも関係性の変化は可能です。
ラクな夫婦関係のススメ~それぞれができる時に、できることを~
いくら夫婦間でも、生活リズムや考え方、趣味や情報収集の傾向も違います。
せっかくならそれを逆利用して、「それぞれが得意な部分で」補ってみてはいかがでしょうか。
子どもにとっても「複数の価値観に触れること」はメリットが大きいです。
★お互いに余裕のある時に、時間を作って子どもの話をしたり、近況を共有する。
★自分の理想を押し付けない。
★今までの不満などはお互いになるべく消化しておく。小出しにしても◎
★話し合いにならない場合は、手紙やLINEで伝えてみることも◎
★たまにでもご褒美日を一緒にすごす(家族旅行、外食、一緒にスポーツやゲームなど、学校と関係ない時間)
★不登校についてや、様々なことを学んでみる。知りたい方が情報を得て、共有してみる。
(理解はお互いに焦らずに…他人から言われて気づいたり、5年後いきなりストンと落ちたりもします)
ポイントは少しづつ、無理をしないようにしましょう!
どんなことも習慣化までは大変なことです。
※なお夫婦関係においては、センシティブな問題も出やすいです。
DVやモラハラ等、人権問題に発展している場合は第三者の介入が必要なケースもあります。
どちらかが精神的に病むなど、専門家に相談すべきケースもありますので、
お子さんと共倒れしないためにも、「辛いことは我慢をしすぎない」「誰かに頼る」ことをお勧めします。