子ども達の不登校が増えています。
地域の不登校対策も増え、フリースクール等との連携や「学びの多様学校」の設置も増えてきています。
子ども達の安心や居場所が増えることは本当に喜ばしいことですね。
一方で、不登校家庭からはあまり「ラクになった!」という声は聞きません。
それは一体なぜなのでしょうか?
子どもが学校へ行かないことによる、親の負担
「突然我が子どもが学校へ行かなくなる」
それは家庭にとって、大きな打撃になりがちです。
「学校が辛いなら休んでいいよ」と簡単に口では言えますが、子どもを保護するのは通常一番近くにいる親です。
子どもの成長を間近で見れることや、学校へ行かないからこその経験を積む機会にもなりマイナス面ばかりではありませんが、「学校へ行かない選択」を経験してこなかった大人にとって「周りの大多数と違うこと」は、想像以上に不安になったり、責任が重くのしかかってくることでもあります。
何よりも「物理的に「子どもを一人にしないようにする」ことは、特に働く家庭にとっては大きな調整が必要になってきます。
コロナ禍で見えてきた学校の役割
コロナ禍での一斉休校では、家庭も学校も混乱しました。
改めて学校が「福祉」の場でもある(1人きりにならない・生活を保護してくれる)ことも可視化されたのではないでしょうか。
核家族の多い現代では、子どもが家にいることで親の仕事がセーブされたり、食事の用意や学習のサポートも必要になるため、家庭だけで見守ることは物理的に難しくなります。
そのために「第三の居場所」が増えてきましたが、学校へ行かない子ども達がすんなり他の場所へ行けるかどうかは分かりません。(現状は、家で過ごしている子ども達の方が多いです)
またコロナ禍が終わると、オンライン授業も多くの学校で終了しました。
不登校の子ども達は、皮肉にもコロナ禍ならオンラインで授業を受けられた子達もいました。
現在もオンライン配信をしてくれる学校はありますが、低学年だと一人で操作しながら取り組むことはほぼ困難でしょう。
不登校家庭が担っていること
(図…コーディネーションラボの講座資料より)
実際子どもが不登校になると、え、これも…?こんなことまでやらないとなの…⁉︎
ということは多いです。
子どものタイプによってサポートの範囲や声のかけ方は変わってきますし、具体的にどう対応していけばいいのかの情報も、ほとんど親(主に母親が多い傾向です)が集めて試行錯誤します。
経験して分かるのは、親だけでこなす役割の範囲を超えていることです。
しかし、子どもの成長は本当に早く、環境に影響されやすいもの。待ったなし!
国や行政の対策も待っていられず、先の見えない日々でも探り続ける親は多いでしょう。
それは紛れもなく、見返りのない慈愛の心がなせる業…ではないでしょうか。(それではいけないと思いながらも、すぐに変えられることが親にはとっても少ないのです)
保護者の皆さんは、「今日できたこと」「今ある喜び」に目を向けてひたむきに頑張っている方が多いです。
周りと比べず、差別や偏見に惑わされず、お子さんとの和やかな時間が過ごせることを願います。