子どもが不登校になっても、所属校への籍は(転校しない限り)置くことになります。
安否確認やプリント受け渡し等でやりとりが必要になりますが、窓口は担任の先生となる学校が多いようです。
連絡を取る必要性は理解できますが、学校に苦手意識を持ったお子さんを無理に先生と合わせたり、学校を感じさせることは、親子ともに強いストレスとなりがちです。
どうすれば負担軽減できるのでしょうか。
なぜしんどい?家庭の学校のお付き合い
親も子どもも先生も、それぞれお互いを気にしている方は多いでしょう。
しかし、学校と家庭では時間のリズムなども違うため、スムーズに連絡が取れないことも多く(メールでのやりとりができる学校も未だに一部のようです)、気を遣うことから、まず連絡すること自体が負担になってきます。
とっかかりに気力が奪われると、子どものいろいろな相談や連携をしたくても、それどころではありませんよね。
「不在が多くて…いつ電話したらいい?」
「今どんな状態かな?」
「何て声をかけたらいいのだろう」
「余計なことを言って傷つけたくない」
「先週◯◯と言われたが断りたい。断るにも気を遣う…」
「迷惑かけて申し訳ない」
「なかなか期待に応えられないのが辛い…」
上記のセリフ↑、あえて誰の言葉か書いていませんが、
家庭と学校どちらにもあてはまりませんか?
境遇シェアをすみやかに。そして1人の人としてコミュニケーションを
立場は違えど、親も先生も1人の人間です。
まず、長く気を遣わないためにも、お互いの今の状態をシェアすることを、年度始めに丁寧に持つことをおすすめします。
些細な話題や相談からも緊張がほぐれていくことがありますし、人となりがわかることで、お互いの想像がしやすくなります。
プリントの受け渡しのペースなど事務連絡ももちろん大切ですが、そうではない部分(人としての考え方、感じ方など)で繋がることで、子どもを見守る目線が変化したり、大人同士の協力体制が変化することはよくあります。
・お互いの仕事の忙しさ
・学校の子どもの様子や、我が子の趣味や、先生の趣味などの共有
・先生にも関わって欲しいが、我が子は◯◯の部分で緊張して難しい…など、実情を伝えておく
・家庭で大切にしていること
・先生が大切にしていること
などなど。
もちろん相性がありますので、「この人はムリ!(お互いに…笑)」となる年もありますが、
そういう時は一年割り切って最低限のやりとりにしましょう。
親もストレスが強いと、「学校行くの、しんどい…」(まるで不登校)状態になりますし
学校の先生方も、ストレスから休職されている方が増えているそうです。
大人こそ頑張りすぎないこと、大切ですね。
まずは安心土台を作った上で、本題に入っていくとよいでしょう。
感情的にならず、事実を受け止めよう
学校と家庭の連携で起こるチグハグやストレス。ここまでをまとめてみると、「親や先生方の負担感」や、
「すれ違い」もわりと大きなストレスということが分かるのではないでしょうか。
子どもを見る角度が違うので当然ですが、大変だからこそ「都合がつかない」「なかなか分かってくれない」の悲しみや怒りが増してしまうと、よりお互いのイメージも悪くなってしまいます。
本来なら、違う角度こそが多様性であり、「子どもを多角的に見れる」ことでもあります。
ここは大人同士がまず一旦「事実を確認」すべく、子どもの存在を真ん中に置いて、見え方の違いを共有しながら、歩み寄りを大切にしてほしいと思います。
また可能であれば、学校は他のたくさんの児童生徒がいるので
担任の先生以外にも連絡の取りやすい先生(例:養護教諭の先生、相談員やソーシャルワーカーさん、別室担当の先生等)がいると、連携がスムーズになることもあります。
不登校のお子さん用窓口を設定している自治体も出てきてはいるので、必要性は明らかです。
些細なことでも、一旦相談してみる
なお、不登校のお子さんのことを一番近くで見ている親御さんこそ、子どもの一番の理解者とも言えます。
「こんなこと言っていいのだろうか?」「こんな相談をしてもいいのか?」など、迷うことが多々あるとは思いますが、遠慮なく質問や相談をしてみましょう。
学校側や先生も大抵は「子どものことを知りたい」「何で困っているのか理解したい」と思っているため、話してみると案外希望が通ったり、「言ってもらえてよかった!」となることもあります。
筆者も当事者ですが、ダメ元で言ってみるか~!と言ったら通ってしまった、ということが何度かありました。
学校は「組織」ですので、融通のきかないことも多々ありますが、必ずスキマはあります。
センスのいい先生できたら何かしら提案してくださるはずですので、遠慮なく相談していきましょう。