他の子みたいに読み書きができない、大きな音が苦手、集中力が続かず教室を発ち歩いてしまう…。障害と診断されて特別支援学級に入るほどではないけれど、学校生活で困っている子がたくさんいます。「グレーゾーン」と呼ばれる子どもたちに、どのような支援ができるのでしょうか。
1.お子さんが学校生活で困っているようであれば
「グレー」という言葉が示すとおり、通常学級で困っているお子さんは、特別支援学級に入るほど強くはないけれども同じような特性をもっています。学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)については、最近よく知られるようになりました。それ以外にも、弱視や難聴がかくれていたり、長期の入院で学習が遅れていたりするなど、サポートを必要としながらも支援につながっていない子がいます。
通常学級でサポートが受けられないままだと、劣等感を感じやすくなり、自己肯定感が下がったり不登校になってしまったりすることがあります。これは二次障害と呼ばれ、本来困っていることが解決されなかったために起こってしまう別の障害です。
学校生活で苦労するだろうと予測できる子どもは、なるべく早く周りの大人が気付いてあげることで、サポート体制を整えることが必要です。最近では、幼稚園や保育園のときに気付いてもらえることで、小学校の入学からサポート体制が整えられる事例も増えました。
入学後の学校生活の中で、子どもが困っているようであれば、どのようなことをすればよいのでしょうか。
2.子どもの困り感を周りの大人が共有する
子どもが困っていることに一番気付きやすいのは、保護者か担任です。
「家で子どもが宿題をするのに時間がかかりすぎる」、「いくら練習しても漢字を覚えることができない」といった保護者からの相談を受けることがあります。
保護者は知らないけれど、衝動的に教室を立ち歩いたり、状況を考えずに発言をしたりする子もいます。
保育園ほどのきめ細かな連絡がとれない小学校では、子どもが困っていることを家庭と学校が共有するのは難しいことです。
一番つらい思いをしているのは子ども本人なので、早く見つけてあげて、どうしてあげたらよいのか大人たちが考えていく必要がありますね。
3.グレーゾーンの子どもたちが受けているサポートの例
(1)個別の支援計画
サポートを必要とする子に学校で何をしてあげるのか、保護者と担任との間で打ち合わせて作成するのが「個別の支援計画」です。
学校生活を送る上で子どもが感じる困難をやわらげる配慮や、子どもにつけるべきスキルを記載し、1年間かけてサポートしていきます。サポート内容は、宿題を減らしたり意思表示カードをもたせたりするなど個人を助けるものもありますが、見通しを示したり視覚的な支援をしたりするといった、学級全体にかかわることもあります。
学校によって環境が違うので、できるサポートとできないサポートがあるはずです。
担任や各学校の特別支援担当の先生に相談して、できそうな支援をしてもらいましょう。
(2)通級指導教室
学習や生活の困り感を減らすために、子どもに合わせた指導をしてもらうことができます。
ソーシャルスキルを育てるゲームや楽しいプリントができるので、習い事感覚で楽しく通う子が多いようですが、送迎が必要なので大変という保護者がいるのも事実です。
私のまわりでは週に1回通う子が多かったですが、希望者が増えているため週1回通いたいのに通えていないという子もよく聞きました。
学校には通えないけれど、通級には行けている、というお子さんもいらっしゃいます。
特別支援の知識がある先生がサポートし、効果があった支援を学校と共有してくれることもあります。
利用したいと思えば、学校の特別支援担当の先生に希望を伝えて手続きの仕方を聞いておくとよいと思います。
***まとめ***
子どもが困っているからと、いろいろな病院を巡ったり療育先を探したりしている保護者の方もいらっしゃいます。
診断名がつくと親は安心するのかもしれませんが、大切なのは、子どものために具体的に何をしてあげられるかということです。
発達障害を「なおす」のではなく、子どもの個性をどのようにサポートしていくかという視点からできることを考えると、子どもの将来まで見据えた支援ができると思います。
どの子にも効く、万能な方法はありません。
困っているお子さんに寄り添って、いいやり方を前向きに考えていきたいですね。
