小学校でプログラミング教育がはじまって数年たちました。中学校は技術で、高校は情報科でプログラミングを学習しています。プログラミングは子どもたちにとって身近なものとなったのでしょうか?現場の視点からまとめました。
学校ではどのようにプログラミング教育をしているの?
小学校では5年生の算数と6年生の理科の教科書に、プログラミングを使った発展学習が載っています。
中学校では技術の教科書に、高等学校は情報科の教科書に、プログラミングの内容が入りました。
また、小・中・高校共通して、「総合的な学習(探求)の時間」に問題解決をするときに、必要に応じてプログラミングをするようになっています。[i]
授業以外だと、小学校では児童の興味にそって行う「クラブ活動」の時間にプログラミングをすることがあります。
中学校・高校では、科学系の部活で、プログラミングを使ったものづくりをしているということも、よく聞くようになりました。
中学校・高校とちがい、小学校には技術などの専門の教員が配置されていません。
だからプログラミングが導入されるときには、何度もプログラミングの研修を行ったり、教材の選定を行ったりしました。
そうして始まったプログラミング教育でしたが、せっかく教材をそろえた学校も、教材の不具合があいついで最近使っていないところも多いようです。
教員全員がプログラミングの研修に参加する機会も少なくなりました。
導入初期よりも、小学校でのプログラミング教育熱は下がっているのかなというのが実感です。
小中学校で主に使われる「スクラッチ」「MESH」「レゴマインドストーム」
小学5年算数では、正多角形の学習があります。
内角の学習をしたあとの発展的な学習として、スクラッチを使って正方形や正五角形などの正多角形を描くものです。[ii]
小学6年生の理科では、センサーやモーターなどを制御して便利なものを作る学習があります。
ここではSONYの「MESH」が教科書で採用されており、エネルギーを効率的に使うものづくりに取り組んでいます。[iii]
中学校の技術の教科書には、スクラッチの使い方がくわしく示されています。
スクラッチを使って「micro:bit」やロボットを制御する実践が報告されていますし[iv]、スクラッチ以外では、レゴ社の「マインドストーム」を使った実践報告が多いです。
民間のプログラミング教室の案内を見ても、これらの教材を使ったものをよく見ます。
プログラミング言語を習得する教室もあるようですが、おもちゃのようにして楽しめる教材を使って、STEAM教育に近い活動をする教室が子どもたちの興味をひいているようです。
プログラミング教育の課題
筆者が小学校の情報主任をしていたころ、プログラミング教育がはじまるというので、研修をするよう管理職から要望がありました。
ほかの学校の教員と研修をして情報交換を行い、自分の学校の教員に授業のしかたを伝えるというやり方でした。
ICTが苦手という教員もまきこんで、全国的にこのような研修が行われてきたはずです。
そこまでしても、学校の少ない予算では教材もそろわず、研修センターや他校に借りにいくこともありました。
少ない人的・物的環境の中で、最低限のプログラミング教育が行われています。
環境がととのえられなければ、プログラミング教育は一過性のものとなりかねません。
一方高校では、総合的な探求の時間にSTEAM教育が導入されつつあります。
プログラミング教育はSTEAM教育の中に含まれ、高校で盛んに取り組まれるようになっていくのではないでしょうか。
参考文献
[i]「新学習指導要領のポイント(情報活用能力の育成・ICT活用)」(2024.7.28閲覧)
[ii] 文部科学省 「Scratch 正多角形をプログラムを使ってかく」(2024.7.28閲覧)
[iii] 小学校6年生理科のプログラミングを教科書会社別にMESHでご紹介(2024.7.28閲覧)
https://library.meshprj.com/entry/edu_sciencebook_2020
[iv]「中学校技術・家庭科[技術分野] 教授用資料 Scratch を用いた技術分野における プログラミングの授業」宮川 洋一
https://www.kairyudo.co.jp/contents/02_chu/gijutsu/r3/gi-scratch_ne.pdf
