学位という形をとらなくても、学んだことを記録として残す方法はあります。学校の卒業証書とは別に、自分の側に学習歴を積み上げていく——その手段を、順に見ていきます。
そもそも、何が「記録」になるのか
残せる形は、成績表や卒業証書だけではありません。講座の修了証、デジタルのバッジ、資格、実際に作ったもの、そして学び続けた記録そのもの。これらはどれも、「何を学んだか」を外から確かめられる形にしたものです。学校を経由していなくても、こうした記録は自分で作れます。
講座の修了証を積んでいく
まず手をつけやすいのが、オンライン講座(MOOC)の修了証です。日本ではJMOOCが玄関口になっていて、そこからgacco(NTTドコモグループが運営)などのプラットフォームで実際に受講します。無料で受けられて、修了条件を満たすと修了証が出ます。世界規模で選ぶなら、CourseraやedXといった海外の講座もあります。
ただし、修了証を1枚持っているだけでは、就職や転職で決め手になることは、いまのところあまり多くありません。大学の単位や公的資格とは違うので、それ単体で専門性を証明する力は限られます。だからこそ、あとで触れる「積み方」と「見せ方」が効いてきます。
また受講自体は無料(学びは無料)、で証明書(資格として)を発行となると有料、というものも多いので、自分に合う内容やレベルなんだろうか、というものは無料で学習を始めて、実際に修了しようという段階でお金を払うという方法もあります。
バッジで貯める
修了や習得を、オープンバッジという形で受け取れる講座も増えています。取得したバッジは自分のウォレットにまとめて管理でき、URLひとつで相手に見せられます。証明が改ざんされない形で残るので、散らばりがちな学びの証拠を、一か所に束ねておけます。(この仕組みそのものについては、証明の話として別稿で扱っています。)
成果物を、一か所に見せる
証明書よりも雄弁なのが、実際に作ったものです。書いた文章、組んだコード、デザイン、制作物——これらを一つの場所にまとめたものが、ポートフォリオです。「これができます」と言葉で述べるより、「これを作りました」と現物を並べたほうが、伝わることは多いです。学びの結果を、そのまま見える形にしておく手です。
続けた記録を、残す
もうひとつ大事なのが、学習のログです。いつ、何を、どこまで学んだか。日付をつけて残しておくと、単発の修了証が「点」で終わらず、続いている「線」として見えてきます。ばらばらの認定や成果物を、時間の流れの上に並べ直す。この積み上げの見せ方は、制度をつないでいく話とも地続きです。
形は、ひとつではない
こうして見ると、学習歴を残す方法は、学位の一本に限られません。修了証を集める、バッジで束ねる、成果物を見せる、記録を続ける。どれも、学校を経由せずに、本人の手で積み上げられるものです。
学習歴は、卒業証書があるかどうかではなく、何をどう残してきたかで見えるようになります。学位を取る道と、学位によらず記録を残すこの道は、どちらか一方ではなく、組み合わせて使えます。
もちろん積み重ねたもので大きな目標を達成できるような方法を模索しておくことも、モチベーションを保つうえで大事なことです。
