学歴というと、「どの大学を出たか」という一枚の証書を思い浮かべます。そして、それを手に入れる道は、18歳で受験して4年間通う——その一本道しかないように思われがちです。でも実際には、正規の学位を、標準ルート以外の手段で組み立てる道が、いくつも用意されています。見取り図として並べてみます。
通う場所と時間を、選べる — 通信制・オンライン大学
まず、通信制・オンライン大学です。近年は、スクーリング(対面授業)にほとんど通わず、完全オンラインで学士まで取れる大学が増えました。働きながら、子育てをしながら、あるいは海外に住みながら、目標どおり4年で卒業することも可能です。
年齢も問われません。出願の中心は20代ですが、60代以上が1割ほどを占める大学もあり、幅は広いです。自分のペースで、全国どこからでも進められるのが強みです。ただし、大学によっては現地でのスクーリングが必須のものもあるので、入学前の確認が要ります。
また通学の卒業とは違う、とよく言われますが、それは自分の目的と照らし合わせましょう。医者を目指しているのであれば、実習が必要なため通学は避けられませんし、通信制もありません。ただいったん一般的な学位を取ってから医学、をというのであればオンライン・通信制大学を経由するケースがあってもいいでしょう。
早く入るという 飛び入学
逆に、標準より早く大学に入る道もあります。飛び入学です。千葉大学の先進科学プログラムでは、高校2年を修了した時点で大学に入れます。物理、化学、生物、工学、情報・データサイエンスといった分野で、専門の勉強を早くから始められる仕組みです。
以前は「高校を中退して大学に入る」形になるのが引っかかる点でしたが、2022年から、飛び入学した学生に高校卒業資格を認定する制度が始まりました。高校2年間で50単位以上、大学で16単位以上を修めて審査に通れば、高卒資格が得られます。大学で半年学べば申請できます。早く進んでも、高校卒業という足場を後から確保できるようになったわけです。なお、高校に通っていなくても、高卒認定試験の必要科目に合格した満17歳以上であれば、飛び入学の条件を満たせます。
横から入る — 編入
正面から入るだけが道ではありません。編入という、横からの入り方もあります。短大や高専、専門学校を出た人、あるいは他大学を途中でやめた人が、2年次や3年次から大学に入り直す道です。それまでに積んだ学びが単位として引き継がれることが多く、回り道がそのまま無駄になりにくい。ゼロからやり直すのではなく、途中から接続する入り方です。
通わずに、単位を積み重ねる
さらに、大学にフルで在籍しなくても、単位を積み上げて学位に変える道があります。入学せずに科目だけを履修して単位を貯め、それを学位授与機構に申請して学士を得る、という組み立て方です。この仕組みの詳しい使い方は制度の話になるので別稿に譲りますが、「4年通う」以外にも学位に届くルートがある、ということです。
学歴は、選んで組み立てられる
こうして並べると、学歴を手に入れる道は一本ではありません。通う場所と時間を選ぶ、早く入る、横から入る、通わずに単位で作る——どれも、裏技ではなく正規の制度です。
学歴は、18歳の一発勝負で決まる、与えられる一枚ではなくなってきました。自分の生活や体調、目的に合わせて、手段を選んで組み立てられるものになっています。
もちろん、通常の進学コースが一番流れとしてはスムーズでしょう。しかしそれが合わなくて道はなくはないということです。
一番大事なのは、自分がどうしたいか、何がしたいのか、進学の前に「自分のあたまで考える」ことです。
偏差値から自動的に可能な学校をチョイスするのではなく、自分の将来の設計図を考える。そして、可能な方法を見つけていく。
どの道を通ったとしても、その先に残るのは、本人が積み上げた学びです。
